大人のための国語ドリル|読む・考える・伝えるための二十四の稽古
読む・考える・伝えるための、二十四の稽古。
私たちは、日々の多くを言葉で受け取り、言葉で渡しています。
「何でもいい」と言ったのに、実は何でもよくなかった。短い返事を見て、相手が冷たいように感じた。伝えたいことはあるのに、どこから話せばよいのか分からなかった。
このドリルは、そうした日常の小さな場面から、言葉と自分、言葉と他者との間をゆっくり見直すための教材です。
学校で学んだ国語をただ復習するものでも、便利な言い回しを覚えるためだけのものでもありません。
読むこと、考えること、伝えることを通して、自分が何を受け取り、どのような言葉を相手との間へ置くのかを、少しずつ確かめていきます。
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全24回、143ページ。解答・考え方つき。
このドリルで大切にしていること
書かれていることと、受け取ったことの間を見る
文章や会話に実際に示されたことと、自分が補って受け取ったことを分けてみます。感じ方を否定するのではなく、どこから先が解釈なのかを確かめます。
正答のある問いと、開かれた問いを分ける
内容や論理、語句の働きには、本文から確かめられる答えがあります。一方、題名や表現、想像、自分とのつながりには、いくつもの答えがあり得ます。
自分や他者を、一つの見方に閉じ込めない
別の見方を考えても、最初に感じたことを取り消す必要はありません。また、短い言葉だけから、相手の気持ちを一つに決めないことも大切にします。
言葉にならないものを、急いでまとめない
「まだ分からない」「今は書かない」も、このドリルでは大切な応答です。言葉は役に立ちますが、いつでもすべてを言い表せるわけではありません。
四つの道筋
第一部 いつもの言葉に気づく
「何でもいい」「大丈夫」「ちゃんと」など、普段は何気なく使う言葉に立ち止まります。見過ごしていた曖昧さや面白さに気づく入口です。
第二部 受け取り方をほどく
起きた出来事と、自分が受け取った意味との間を見ます。感じたことを残したまま、確かなことと、ほかにもあり得る見方を確かめます。
第三部 人との間に言葉を置く
頼む、断る、意見を伝える、相手の話を聞く。便利な定型文だけに頼らず、言葉を置く順序や時機、相手との距離を考えます。
第四部 自分の言葉を育てる
経験や感覚、考えに、無理のない輪郭を与えます。借りてきた言葉を確かめたり、まだ分からないことを書いたりしながら、自分の言葉を選び直します。
この四部は、初級から上級へ進む階段ではありません。同じ言葉へ少しずつ異なる角度から戻る、螺旋のような道筋です。気になる部から始め、必要なところへ戻ってもかまいません。
日常から始まる二十四の題材
昼食を決める会話、短いメッセージ、頼みごとや断り方、異なる意見の伝え方、物や場所の描写、短い文章づくりなどを扱います。
たとえば――
- 「何でもいい」の中身
- 「大丈夫」は、どの大丈夫?
- 短い返事が気になった
- 聞いてほしい? 意見がほしい?
- 「分かる」と「賛成」は同じ?
- 借りてきた言葉、自分の言葉
- まだ分からないことを書く
身近な場面から始めながら、読むこと、考えること、伝えることを少しずつ深めます。
三種類の回があります
小さな稽古
一つの言葉や区別を、短く軽やかに考える回です。
標準の回
読む・考える・伝えるを、無理のない分量でバランスよく扱う回です。
立ち止まる回
一つの場面を複数の角度から、少し時間をかけて考える回です。
三種類は、初級・中級・上級という難度の区分ではありません。分量と学び方の呼吸が異なるものと考えてください。
こんな方へ
- 自分の考えを整理する時間がほしい方
- メッセージや会話の受け取り方を見直してみたい方
- 頼む、断る、意見を伝えることに難しさを感じる方
- 文章を書く入口を探している方
- 国語を、試験科目ではなく日々の営みとして学び直したい方
- 自分の言葉を、急がず育ててみたい方
国語が得意だったかどうかは問いません。平易な日常の場面から始まりながら、大人だからこそ味わえる問いを含んでいます。
取り組み方
最初から順番に進めても、気になる題名から選んでもかまいません。一日に一回ずつ進める必要もありません。
すべての空欄を埋めなくて大丈夫です。自分の経験を書きたくないときは、文章や登場人物について考えるだけでもかまいません。苦しくなった課題は飛ばし、別の日に戻ることもできます。
解答・考え方は、採点のためだけでなく、別の見方に出会うためにもお使いください。自由記述では、解答例と同じ言葉にそろえる必要はありません。
印刷して直接書き込むほか、PDFを画面で読み、答えをノートへ書く使い方もできます。
無料でご利用いただけます
大人向け国語ドリルの全二十四回と「解答・考え方」を、一冊のPDFにまとめています。
自分のペースで、一回だけでも、途中の部からでもお試しください。
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※PDFファイルが開きます。印刷する場合は、用紙に合わせて倍率をご調整ください。
※この教材は、心の状態を診断・治療するものではなく、心理療法や医療の代わりとなるものではありません。取り組む範囲と距離は、その日のご自身に合わせてお選びください。
和会塾より
国語は、文章を正確に読むための技術であると同時に、自分や他者、まだよく分からないものと向き合うための営みでもあります。
このドリルが言葉をうまく操るためだけでなく、立ち止まり、見直し、必要なら選び直すための小さな場となれば幸いです。
