生徒さんと話した日々②:「グレーなんです」Bくんのこと

このカテゴリーでは、これまで一緒に学んだ生徒さんについてお伝えします。
もちろん名前は伏せていますし、細部はぼやかしてありますが、どんな人物だったのかはご理解いただけるよう心掛けています。
出会いと、Bくんの第一印象
高校二年生のBくんと出会ったのは、夏前だったと記憶しています。
学校に行きづらくなり、不登校という選択をしてしばらく家で過ごし、それから訪れてくれたのでした。
Bくんは自ら「グレーなんです」と語り、いわゆる発達障害と診断される状態と紙一重であることを宣言していました。
本人の談では、朝食をとるにも一時間以上かかるとのことで、
- どうしてもスマホ見ちゃう
- 見てなくても他の何かが気になって食べ進まない
というお話を聞いたことがあります。
一緒に取り組んだ学びの時間
大学受験を目指して、国語と英語を一緒に勉強することになりました。
国語は現代文については自分で学習できるということで、古文と漢文の文法的な側面と演習を主におこないました。
英語は長文読解を軸に取り組み、途中で英検の受検もはさみつつ進めたことを憶えています。
宿題はあまりできていませんでしたが笑、いずれの科目も本人なりに大事なポイントを押さえる意識をもって学べていました。
ゲーム、嘘、そして「自分をわかっている」こと
『APEX』というゲームが大好きで、お話しするときにはよく戦い方の話やアップデート(アプデ)の話題が出てきました。
系統の近い『フォートナイト』というゲームも遊んでいたらしく、本人によれば「ずーっとやり続けてしまってよろしくない」とのことでした。
最終的に大学受験をし、志望校合格との報告が本人からありました。
しかし、実際には合格したと嘘をついたことがご家庭から伝えられ、こちらもびっくりしてしまいました。
Bくんのご家庭はいろいろと理解があり、Bくんにとってさらによい道はどういうものかを見つめ直すということで、一緒におこなう授業は終了となりました。
総合的に濃いめ(?)な人物でしたが、自分のことをきちんと把握できている点で、以後も彼なりに歩いていけるのは間違いないと思います。
応援しています。
ものさしを超える歩み
Bくんのように“自分のかたちで学ぶ”ということについては、こちらの記事でも触れています。
▶︎ 『ものさし』で人を測る前に