対話

生徒さんと話した日々⑥:「スーファミ好きです」Fさんのこと

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このカテゴリーでは、これまで一緒に学んだ生徒さんについてお伝えします。

もちろん名前は伏せていますし、細部はぼやかしてありますが、
どんな人物だったのかはご理解いただけるよう心掛けています。

ここではイイ話や成功譚ばかりを記述する意図はありません。
できる限り事実にとどめてまとめています。

出会いとFさんの第一印象

Fさんと出会ったとき、まず印象に残ったのは、
どこか自分の内側に確かな世界を持っているという感触でした。

多くを語るわけではないのですが、
話し始めると、その言葉の選び方や間に、
独特のリズムがありました。

その世界観は、後に聞いたこれまでの歩みとも、
自然につながっていくことになります。

一緒に取り組んだ学びの時間

英語の学習を一緒に進めましたが、自然と本人のお話を聴く時間が多くなりました。

Fさんは、イラストを描くのが好きで、
昔から動物や風景の水彩画を描いていたそうです。

デジタルでも自作のキャラクターを描いていて、
月に一度か二度、作品が売れることがある、
そんな話も聞かせてくれました。

「ひとつを仕上げる」というより、描いて、出して、また次をつくる。
Fさんの制作スタイルは軽やかで、どこか呼吸のようでもありました。

これまでの学校生活と、体調のこと

Fさんは、有名な大学附属の小学校や中学校に進学していましたが、途中で体調を崩し、通学が難しくなった時期もあったそうです。

そのことを必要以上に語ることはありませんでした。
しかし、学校という枠組みと自分のリズムとのずれを、早くから経験していたようにも感じられました。

ゲーム、SNS、そして表現の感覚

ゲームの話になると、スーパーファミコンのタイトルや周辺事情にまで詳しく、
昔の作品まで長く遊んできたことがうかがえました。

確か昔の「ぷよぷよ」が好きだと言っていたと思います。

また、Twitter(X)もかなり使い込んでいて、作品を発表する場としても、人の動きを観察する場としても、独自に使っている様子でした。

現実とネット、過去のゲームと現在の表現。
Fさんの中では、それらが無理なく地続きになっているようでした。

進路の選択、専門学校という道

進路については、芸術大学と専門学校の間でしばらく悩んでいました。

最終的にFさんが選んだのは、アニメーションの専門学校です。理由を尋ねたとき、

「ひとつの作品をじっくり、というより、
どんどん作って、発表していきたい」

と話していたのが印象に残っています。

制作の速度や量も含めて、自分の性質をよく分かっている選択だったように思います。

いま振り返って思うこと

Fさんは、ふいに授業に来なかったりすることもありました。

けれど、久しぶりに顔を合わせて話すと、やはり独特の味わいがありました。

自分の世界を大切にしながら、それを外に出すことも、ちゃんと続けている。
そんな人物だったと思います。

これから先も、つくりながら、発表しながら、自分の場所を探していかれるのだと思います。

応援しています。

関連する記事

Fさんのように、自分のリズムや制作の感覚を大切にしながら進路を選ぶということについては、こちらの記事でも触れています。

▶︎ 自分の生活から始まる「学び」

ABOUT
わたなべ
わたなべ
東京大学法学部卒業。
司法試験合格、研修後、業界を転向。
“対話で学びを拓く”をテーマに活動しています。
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