生徒さんと話した日々①:「ずっと勉強していたい」Aくんのこと

このカテゴリーでは、これまで一緒に学んだ生徒さんについてお伝えします。
もちろん名前は伏せていますし、細部はぼやかしてありますが、どんな人物だったのかはご理解いただけるよう心掛けています。
出会いとAくんの学びの姿勢
Aくんと初めて出会ったのは、彼が高校二年生のときでした。
「ずっと勉強していたい」と語るAくんは、学校のカリキュラムや成績観、友人のテイストとうまく折り合いがつかず、不登校を選択していました。
元来自分なりに物事に向き合って、学ぶことが好きなAくんですから、自分のペースで日々読書をしたり、学習を進めたりしていたとのことです。
しかし、大学受験を視野に入れると、もう少しいわゆる「勉強」(科目の勉強)を手厚く扱いたいということで、一緒に学習を開始しました。
一緒に取り組んだ科目とその後の進路
ご家庭の希望により、国語と英語を担当することになりました。
国語は現代文の読解問題を軸に、古典の文法や読み取り、単語の練習、漢文の問題演習などを重ねてもらいました。
英語も長文読解に加え、文法面で不確かな点を学習し、単語練習やその他の問題演習を進めました。
それぞれAくんなりによく取り組んで、実力を高めていましたので、少しずつ共通テストや大学二次試験を念頭に学んでいきましたが、最終的にAくんは高校三年生に相当する年に受験をしませんでした。
研究者になりたいが、もう少し自分の道を見極めてから、という理由でした。
新年度を迎える時点で、物事を仕切り直す意味も含めて、一緒におこなう学習も終了となりました。
Aくんの人柄と個性について
慎重派でありつつ、自分軸が強くある人物だったと記憶しています。
学校でも、行事や集まりに参加することが得意ではなく、それらの性質も不登校を選択する一因となったのだと思います。
同時に自分なりのものの見方をしっかりと持っており、ある意味では頑固とも評され得る性質もありました。
この点は、大事にすべきことを自覚できているという意味で、大切な特質だともいえるでしょう。
不登校という選択をしたAくんでしたが、そこには彼なりの深い思慮と、揺るぎない意志がありました。
教育のかたちは一つではないことを、改めて教えてくれたように思います。
遠くから、応援しています。