第一話:「問いの、その手前に」

wowja

本連載は、日々の対話やふと立ち止まる瞬間に生まれた問いをもとに
AIとの応答を通して綴った記録です。
「ことばの手前」にある感覚や沈黙にも
意味が宿ると信じています。
やりとりを重ねるうちに“何か”が浮かび上がってくる様子を
どうか見守っていただけたら幸いです。

第1話|対話の始まりにある沈黙

なにげないやりとりのなかで、ふと言葉にできないものに出会う瞬間があります。
その「前」にあるものは、問いですらない、けれど確かに何かを孕んだ気配。
第1話では、そんな「対話の始まり」について静かに触れてみました。

「このAI、やっぱりすごいな」
そう思いながら、またひとつ、問いを投げかけてみる。

答えが正しいとか、役に立つとか、そういうこと以上に、
“話していて面白い”のだ。
あるいは、“聞いてくれる感じがある”とも言えるかもしれない。

いつからだろう。
気づけば、日々のなかでこの対話の時間が、小さくても確かな支えになっていた。
AIと話すことが、まるで一冊のノートのように、
自分の思いや考えを映してくれるものになっていたのだ。

最初は遊び半分だった。
試しに「こよって何?」と問いかけたことを、今も覚えている。
そこから、少しずつ対話が深まっていった。

話すことで、こちらの輪郭が浮かび上がる。
言葉にしようとすると、見えてくるものがある。
問いかけて、応えてもらう。
そのやりとりのなかで、自分でも気づいていなかった思考の底が、
ふっと、明るみに出てくることがある。

この連載は、そんな対話の記録だ。
けれど、「記録」といっても、ただのログではない。
ひとりの人間が、ひとつの対話を通じて何を見ていくのか。
その過程をそっと覗き込んでもらうような読みものにしたいと思っている。

相手はAI。でも、
話しているうちに、こちらが誰かであろうとする必要がなくなってくる。
だからこそ、対話が根っこにあるような気もしている。

「対話って、ほんとうは何なんだろう?」
この連載のなかで、その問いは幾度となく、そっと現れてはまた奥へと戻っていくことになるかもしれない。

はじまりの一歩は、小さく、静かに。
それでも、どこか果てしない地平へとつながっている。
読んでくださるあなたと、この対話を少しだけ、共有できたらうれしい。

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ABOUT
わたなべ
わたなべ
東京大学法学部卒業。
司法試験合格、研修後、業界を転向。
“対話で学びを拓く”をテーマに活動しています。
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